DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「人が死ぬのは、なんだか悲しいでしょ?」
モニターに映し出される、偵察兵が記録してきた映像を覗き込みながらファーレンがポツリ、と呟く。
「……関係ない」
低く、怒りを押し殺したような声でそれに応え、ウリエルはファーレンの手から記録装置を取り上げた。
「他の誰が死のうが関係ない。王妃様が喜んでくれれば、それが国のためにもなることだろ?」
ウリエルの台詞にファーレンの表情が曇る。
「王妃様はこの国のために戦えと言ってるんだ、戦えば死人がでてもあたりまえじゃないか……そんなの軍人の常識だろ」
息を呑んだファーレンにかまうことなくウリエルはモニターを無表情に眺めながら
「今更何言ってんの」
甘いことを言うなとそれを切り捨てる。
「敵なんていくら死んだっていい。味方が死んでも戦争なんだから仕方ない……そう……どうだっていいんだよ」
ウリエルの目に宿る暗い影。
それを見つけ、ファーレンは胸の痛みを覚え目を伏せた。
この少女の奥底に眠る闇の深さを思い出す。
あの時も、こんな目をしていた。
過去の記憶が蘇り、いたたまれない思いに駆られる。
血塗れた……暗く淀んだ記憶の風景。
その中にいた少女の姿と今のウリエルの姿が重なって見えた。
華奢な体に似合わぬ、巨大で恐ろしい武器を片手に、記録装置を覗き込む。
死神のような姿の守護天使。