DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
だが、あいもかわらず。ボルグは苦い表情でアレックスを見ていた。
練兵場の中央では、降参と片手をあげたファーレンにアレックスが手を差し伸べ、起き上がるのを手伝っている。
「……しかし……」
視線はアレックスに固定したまま、ボルグがかすれた声を漏らした。
ファーレンの手をひっぱりあげるアレックスの表情はやはり無表情。
それが気に掛かっていた。
場内では、見学していた兵士達からぱらぱらと拍手すら上がっている。
それでも、一貫して変わらぬ表情。
「何が気になる?」
その声に、隣の青年へと振り返るものの、問い掛ける上機嫌の上司にボルグはうまく答えを返すことができない。
「いえ」
胸にくすぶるなんともいえない嫌な感覚を飲み込み、ただ短く答え。
再び、新たな隊員へと視線を戻し、観察するように伺い見る。