DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
槍は基本。叩く、斬る、突くの三種の攻撃を行う。
これは槍に限らず、剣など主要たる他の武器もそうなのだが……
独自の構えから繰り出される不意打ちにも似たファーレンの攻撃は確かに読みにくい。
だが、基本は同じ。
幼少より、戦闘術のありとあらゆる訓練をうけてきたアレックスは基本の動きがその身に染み付いている。
ささいな動きからその先の流れを読むのは易い。
ましてや一対一で、己のみに向けられるそれを見誤ることはない。
ファーレンがその槍術で突出しているのはその速さゆえもある。
だがしかし、予測は次なる行動への動きを速くし、また、アレックス自身、持ち前の速さを兼ね備えていた。
「あの動きから瞬時に切り替わって突いてきた槍のすぐ脇を前転してすり抜け……かつその回転を利用してファーレンの間合いに詰め寄り蹴りをいれる」
ボルグの隣で、隊長はその瞬間を言葉で再現する。
「突っ込んだ勢いはそのまま、上体への蹴りで反動となりファーレンに還る。よけきれなかったファーレンが倒れたとこを、起き上がり様にそのまま足で踏みつけた」
その一瞬後には、躊躇いのないナイフの一閃。
「見事なものだよ」
そう言ってにこやかな顔をボルグにむける。