DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
列車が駅構内を抜け、徐々に加速してくる頃。
ようやく、アレックスは客席の座席に腰を下ろした。
駅と同じく、西へ向かう列車の車内は空いている。
本来は二人掛けの椅子の空いたスペースに荷物を置いて、アレックスは窓の外を流れる風景へ目を向けた。
五年前では、こうして誰かに見送られどこかへ向かうなど考えられないことだった。
誰とも関わる術を知らず。
何事にも大きく心を揺らされることもなかった。
今では、ガーフィールドとリリスのやり取りを見て自然と口元に笑みが浮かぶ。
見送られ、そうして来てくれたことに対して心が温まる思いを覚える自分がいる。
アナベルやレイのことを気にかける自分がいる。
それらは、昔のアレックスでは全く考えられなかった事だ。