DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―6―)





視線が交わる。



一瞬の間をおいて、風を纏う音と共に。




――ガッ



直前まで立っていた場所に突き刺さる、鋼鉄の鋭い刃先。

「チッ……」

目の前に飛び込んできた灰色の塊が舌打ちするのを、少しだけ距離をおいて着地しながら聞いた。

と思えば、すぐに目前に横薙ぎに振られる黒い残影。

それを上体を逸らしてかわし、また後方へ跳ぶ。

標的を失った巨大な鎌は、そのまま通路脇の低い石壁を、派手な音をたてて抉った。

くずれた石くれが粉塵を上げる。

たったの一撃で三メートルほどの壁が破壊された。

「ふん」

攻撃を放った張本人は軽く鼻を鳴らし、じゃら、と鎖を通路に引き摺らせながら鎌を引き戻し

「やっぱりね」

呟き、ニイと笑みを浮かべた。

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