DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


少し離れた位置に降り立ったまま、じっと見つめる青い目を、灰色のフードを纏った少女は見据え

「反逆者が今更何の用?」

手にした鎌の柄で、肩をトントンと叩きながらあごを上げた。

塔の部屋から飛び降りた際にフードがとれ露になり、零れた灰色の髪。

それと同じ色をした瞳をクルクルとさせる小柄な少女。

「あんた、ルシフェルだろ?」

どこかせせら笑うような尖った声で問われ、ルシフェルは頷き

「……あなたも……」

言葉少なに、視線で問い返した。

「そうだよ。お前と同じだよ」

薄く、唇の端を歪んだ形に吊り上げ

「守護天使、ウリエル様だよ」

灰色の少女が名乗る。

それを聞いた、ルシフェルはキリ、と口元を引き締めた。

青い瞳に嘆息にも似た翳りを浮かべ……


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