DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「全く……一体なんだってんだ」
さきほどからぶつぶつと文句をつぶやいている大柄の男をアレックスは冷めた目で見やる。
軍用トラックの荷台に十名ほどの兵士が膝を抱えて座り目的地へ向かう中、その男は緊急招集されたことに対する不満を言いつづけていた。
「今日は女と約束があったってのによお……なんで俺様がこんなむさい連中に囲まれて、こんな狭いとこに詰め込まれなけりゃならんのよ」
肩に刻まれたケルベロスの刺青を、これ見よがしに露にして、いらだちを両脇の兵士に吐き続ける。
一体何にそんなに苛立っているというのか?
この場にいる誰もが不快感を感じているだろうと思われたが、ケルベロスの刺青を目にしては何も言うことが出来ない……
「しかもよりによって、なんでお前と一緒なんだ? レンフィールド」
自分に話を振られ、アレックスは男の顔へちら、と目線を移し、口を開いた。
「……ケルベロス本部から緊急通信をうけました。任務ですから」
刺さるようなアレックスの視線にボルグが眉をしかめる。