DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
――首都アルマから西へ五十キロ程離れた町リエーネから中央司令部へ突如入った救援要請。
だが、詳細を聞く間もなく通信は途絶えた。
部隊の多くは、最近戦闘の激しい西のディラハン国境付近に駐屯しており、リエーネまで戻るには時間がかかる。
夜間の突然の出来事。
状況が掴めぬ事態に、危機を覚えたのだろう、偵察部隊にアレックスとボルグも加えられた。
「上からの指令ですボルグさん。あの町はアルマからそう遠くはない、攻撃されたのであれば次はアルマかもしれない」
淡々と語るアレックスにボルグが、チッと舌打ちする。
「そんなこた、新入りのお前に言われなくともわかってる……ただ、なんでお前しかいないんだ?」
「他の隊員は別件についてるとのことです」
アレックスの答えに、ボルグは深々と吐き出す溜息で返す。
どうやら、苛々の原因の一部は自分がここにいることらしいと、アレックスも気付いた。
理由はわからないが、このボルグという男は自分を快くは思っていないらしい。
そういえば入隊式ですれ違った時にも、苦虫をかみつぶしたような顔で自分を見ていたな……とアレックスは思い出す。