DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「心の広い、優しい天使様にご褒美あげる」

言うが否や、鎖に絡ませていた手を解く。

途端、黒い影を帯びた鎖の先端が真っ直ぐに、物凄い速さでルシフェルの方へと伸び突き進む。

「な……っ」

ウリエルの表情と言葉に気を取られ、虚をつかれたルシフェルの周りに瞬時に描かれた鎖の輪。

そこから黒い影が一斉に立ち昇り、見る間にルシフェルを覆っていく。

「何を……ウリエル!!」

抵抗する間もなく、それに飲み込まれていくルシフェルが上げた声も、虚しく途中で遮られ、影に吸い込まれていった。

ルシフェルが立っていた場所に円を描いた鎖が作り出したのは、黒いドーム状の闇の塊。

中に閉じ込められたはずのルシフェルの姿は、人の肉眼で捉えることは出来ない。

「僕からのとっておきのご褒美。会わせてあげるよ、あんたが大好きだった家族とやらにさ」

自らが作り出した半円を見つめるウリエルは、満足げな表情を浮かべ、歌うように呟いた。



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