DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


何も聞こえないかのように、ふらふらとした足取りで進むマリウスの後を、アレックスは仕方なくゆっくりとついていく。

狭い道路の両脇に建つ家々から燃え上がる炎が、空でつながりそうな勢いで、まるで炎のアーチをくぐっているかのようだ。

降りかかる火の粉を手で払いながら姿勢を低くして進む。

前方を歩くマリウスは火の粉も気にならないようだが……

「待て、マリウスその先は……」

細い路地の方へと入っていこうとしているマリウスに気付き慌てて声をかける。

建物が密集している場所は炎の勢いが尚更ひどい。

だが、マリウスは足を止める気配を見せない。

「焼け死ぬぞ!!」

このままでは危険だと判断し、追いつこうと足を速めた瞬間、マリウスが急に足を止めた。

前方を見つめる、マリウスの瞳が大きく見開かれる。


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