DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「レンフィールド?」

ボルグが自分を呼ぶのが聞こえたが

「誰か、いる」

そうとだけ答え、声の方へと歩を進める。

近づくにつれ、煙の向こうからこちらへ向かってくる影がうっすらと見えてきた。



――ズル……



足を引きずるような音。

ゆっくりと近づいてくるにしたがい、それが、人の影であることが確認できた。

「大丈夫ですか?」

まだ、生き残りがいたらしい。

声をかけながら、足を速めてその人影へ近づく。

「エルカイザの者です。救助に……」

目の前にたどり着きそう言いかけた時だった。


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