DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
来た時同様、トラックの荷台に乗り込む兵士達の最後尾に並ぶ。
先に荷台へ上る兵の背中を何気なく見ているときだった――
「……?」
ふと、なにか聞こえた気がして、アレックスは足を止めた。
「どうした?」
荷台の入り口で兵士が乗り込むのを待っていたボルグが、それに気付き声を上げる。
先ほど捜索に向かった道の方。
今は火がおさまり、暗闇に煙がただよう道の向こうから
「……ル……」
小さく、だが確かに
「……ル……テ…………」
ぶつぶつと、なにかをつぶやくような声。
その声を聞いた瞬間、何か、嫌な感覚が背中を走った。。
何を言っているかはまだ聞き取れない。
理由のわからぬ感覚。
だが、その嫌な感じに反して、引き寄せられるように勝手に足がそちらへ向いた。