DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
声を聞いた瞬間……
先ほどから感じている嫌な感覚が、更にはっきりとした形をとり背筋を伝った。
無機質に何度も繰り返される言葉は呪いの言葉。
「コロシテヤル」
そうつぶやくのは……
燃えるような赤い髪の少女。
右腕は折れているのだろうか?
肩からだらりとぶら下がっている。
服は何箇所も切り裂かれ、あちらこちらから流血している。
ひきずるようにしながらも、足を止めることなく前へ進む少女の瞳は、開いていながらも何も見えていないかのように虚ろだった。
「……どこへ?」
声をかけたアレックスに気付いていないかのように目の前を通り過ぎようとする少女の肩を掴み、引き止める。
ようやく足を止めた少女がゆっくりとアレックスの方へ顔を向けた。
大きな青い瞳でアレックスの全身を見るように、視線を下から上へと泳がせる。