DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


その視線がアレックスの肩に掛けられた銃剣にまで来た瞬間。

少女は瞳を大きく見開いた。

「……っ!?」

アレックスの手を振り払い、少女はジリ、と一歩後さずる。

「……? 大丈夫、俺は敵兵じゃない。こっちへ……」

近づこうとするアレックスを見て少女が左手を振り上げた。
何かを握っている……

「コロシテ……ヤルッ!!」

叫ぶと同時に少女が左手を振り下ろす。

アレックスは素早くそれをかわし、少女の手首を掴み、もう片方の手で握っていたものを叩き落とした。

「はな……せっ!!」

左手首を掴まれた少女がうなるように声を上げるのに構わず、地面に落ちたものへ視線を投げる。

その手から叩き落され、少女の足元に落ちたのは……血にまみれたロザリオ――





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