D U S H ! !



「さすがおっちゃん優しいな~」

「なに、お前までおっちゃんって呼んでるのかよ」

「いえ、最初は髭おじさんって呼んでました」

「……」


おっちゃんとユカに連れられて、俺たちは早速倉庫へと向かった。

ライブハウス裏の小さな倉庫の中には、使い古されたアンプやドラムセット、マイクにスピーカーががたがたと適当に置かれていた。


「たぶん10年くらい前のやつしかないぞ。楽器は消費するからな、新品はステージ用、古くなったら練習スタジオ、さらには倉庫行き」

「楽器も悲しい運命辿るんですねー」

「そうだ。悲しいなあ。お前等が使ってくれるなら楽器も本望なんじゃねえか」

「はい。大切に使います」


いつの間にか鮎川とおっちゃんが仲良くなっていた。

肩を組んで変な歌を歌っている。



< 127 / 346 >

この作品をシェア

pagetop