D U S H ! !
「さすがおっちゃん優しいな~」
「なに、お前までおっちゃんって呼んでるのかよ」
「いえ、最初は髭おじさんって呼んでました」
「……」
おっちゃんとユカに連れられて、俺たちは早速倉庫へと向かった。
ライブハウス裏の小さな倉庫の中には、使い古されたアンプやドラムセット、マイクにスピーカーががたがたと適当に置かれていた。
「たぶん10年くらい前のやつしかないぞ。楽器は消費するからな、新品はステージ用、古くなったら練習スタジオ、さらには倉庫行き」
「楽器も悲しい運命辿るんですねー」
「そうだ。悲しいなあ。お前等が使ってくれるなら楽器も本望なんじゃねえか」
「はい。大切に使います」
いつの間にか鮎川とおっちゃんが仲良くなっていた。
肩を組んで変な歌を歌っている。