D U S H ! !



チャラ男大王は、亮太郎さんのライブハウスで一緒に緊急対バンさせてもらったバンドの中の『Sherry』というバンドのボーカルだ。

よく見ると他の4人もバンドのメンバーだった。


しかもそのバンドは、音楽会社に声を掛けられていたあのビジュアル系インディーズバンドで。

俺達は憎い憎いの嵐だった。



「こないだはありがとうございました。ていうか、なんでここ居るんですか」

少し戦闘態勢をとる。
ユカがあいつに対して超ウザそうな顔をしているからだ。


「さっきまでさ、飲んでたの。やっと仲間がハタチになってさ、だから。」

この人も20歳なのか?
もっと年上に見えるけど。

「へえ。じゃ、俺は失礼します」

酔っ払いを相手にしてる場合じゃないんだ、心の中でそう呟いた。決して口には出さないけれど。


「待ってよ。このコもさ、あの時のライブ来てたでしょ。ノンアルコールのカクテル飲んでた!」

「…知らないです。」

「なんで?まさかオレがチューしたこと根に持ってんの~」


ちゅう?

ユカ、このチャラ男大王にキスされたのか?


「当たり前じゃないですか。あの時も酔ってたんでしょ」


「!!!!」


あいつが…








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