D U S H ! !



「ほら、ね?」

嬉しそうに笑う彼女。


「し、趣味合うね…」

「あはは、そーだね。ていうか、バンドやってんでしょ、その4人で」

「あ、うん。」

「なに、練習室空くの待ってるの?それとも雨宿り?」


「あー…雨宿りの方です」

「そっか」


白い歯を見せて、彼女は「座っていい?」と言うと、俺たちの真ん中にどんと座った。

えらいフレンドリーな…



「で、何喋ってたの?バンドの方向性?次のライブのこと?」


「バンド名がなかなか決まらなくて。もしかしてあなたバンドやってますか?」

カイジが彼女に聞いた。


「やってるよ。なんでわかったの」

「指の腹が超堅そうだったから。絆創膏もしてるし。」

「すごーい!さすがだね、あなたはベースだよね」

「うん。あんたもギターかベースやってるでしょ」

「アタシもベース。指が痛くって、今早く治れって念じてるとこ」

「はは、そうなんだ」


話、ついていけてない…


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