D U S H ! !
「DASHがライブで活躍すんの期待しとく。じゃあアタシまだバイトだから。バイバイ!」
ユカはライブハウスの玄関まで来てくれた。
彼女はあのオーナーの姪っ子で、今月からこのライブハウスでバイトし始めたらしい。
「『また来てね』だってよ。ユカちゃんって明るくて可愛いよなー」
鮎川が呟いた。
「もしかして惚れた?」
カイジが冷やかすように言う。
「…なわけねえじゃん!オレはもっとお姫様みたいなコが…」
鮎川ったら、完全に惚れたな。
あの動揺は分かりやす過ぎる。
「「「ふーん」」」
俺達三人は鮎川の分かりやすい嘘に分かりやすーく付き合ってやった。
雨も止み、明日は猛暑だそうだ。