D U S H ! !



「アタシの名前は馬渡悠嘉!ユカって呼んで」

テンションの高い彼女は、俺達にそう言った。
濃いピンク色のNightingaleのバンドTを着てぴょんぴょん跳ねている。


「あ、はい。」

「なんで敬語な訳。アタシも高1なんだからタメでいいよ」

「なんで俺達が高1って知ってんの!?」


ちょっと引き気味で俺が言う。

するとユカはまえのめりになって言った。



「あんたの学校指定?のそのカバン。『1年4組 面大和』って書いてある」

にいっと悪戯に笑われた。


「え、もしかして自分の持ち物全部名前書いてたりすんの?」

「小学生かよ~」

鮎川もカイジも、こぞって俺をバカにする。


実を言うと、この字は母親が書いたものだ。

出身中学の奴らと春休み遊んでいたら、書かれていた。

小学生じゃないんだから、って何度母親に嫌味を言ったことか。


「ちげーよ。カバンだけしか書いてねーよ」


そう何度言っても、案の定信用されないんだ。

マージで最・悪・だ!





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