桜花散恋




足元がおぼつかない葉月を土方と沖田が両脇から支え、ようやく屯所についたころには、既に大分夜も更けていた。



「とりあえずこの部屋で寝てろ。朝になったら着物を持ってきてやる」


「はい・・・」


屯所の端の一室に布団を敷いてやり、眠るのを見届けてから静かに襖を閉めた。

「で、つれてきちゃったけど・・・どうします?」


「明日、近藤さんたちを集めてもう一度聞く」


「わからないっていってましたけど」


「あのおかしな格好も気になるし、一晩すれば今よりはまともな返事ができるんじゃねえか?」


「・・・まぁ、そうですけど」


「総司、お前はもう寝ろ」

「葉月ちゃん、ほっといていいんですか?」



どう考えたって葉月が新選組に仇なすものではない。
しかし、万が一のことを考えると、一人にするわけにはいかないのだ。


「・・・俺はここにいる」

「・・・わかりました。じゃあ、おやすみなさい」


「おう」




沖田は少し考えたあと、土方に従い、部屋に帰った。


「(面白くなりそうだなぁ)」



これから起こることを想像し、わくわくしながら眠りについた。









< 10 / 84 >

この作品をシェア

pagetop