桜花散恋

加療







屯所で過ごすようになってから二週間がたった。



最初はなれないことばかりで大変だったけど、新選組の人たちの名前も覚え、少しずつ話すようになってだいぶ慣れてきた。


手伝いをさせてもらってる八木邸の台所で八木さんの奥さんや娘さんとも仲良くなれた。

沖田さんなんかはふらっと私の部屋のやって来て、からかうだけかららかって部屋に帰ることが日常になっていた。

近藤さんや土方さんをはじめとした幹部隊士や平隊士の人たちは、とても優しい。



ただ・・・・藤堂さんは違った。


優しくないとか、意地悪ってわけじゃないけど、藤堂さんは私を見ると、一瞥して去っていく。


この間、広間にいた原田さん、藤堂さんにお茶をもっていったときのこと。


藤堂さんは何も言わずに立ち上がり、出ていこうとした。


『おい、平助。どうしたんだ?せっかく葉月ちゃんが茶淹れて――・・・』

『俺、ちょっと用事あったの忘れてた』

『・・・・・・・』

『あいつ、どうしたんだ?』




受け入れられないみたいで、少し寂しい。








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