エリートな貴方との軌跡
松岡さんにとっては、人の驚く姿や表情を見る事こそが“蜜の味”のようで。
整った顔をそのままに、ニヤリと口角を上げて微笑む様に溜め息しか生まれない。
そもそも勝てる節が見当たらない中で、勝負を挑む私こそどうなのだろう…。
「修ちゃん、待ってるから早く行きなー」
自身にもスマイルキラーにも呆れていると、さらにマイペースぶりを発揮するから。
「引き止めていたのは、何処のどなたです?」
足止めをくらった要因に向かって、横目でチラリと一瞥するように尋ねれば。
「妹思いなのに、報われないカワイソウなお兄様?」
「…早くTwitterへアクセスして下さい」
「打ち込むのメンドイしー、リアル最高ジャン」
まるで他人事のように返されれば、はぁ…と、盛大な溜め息もつきたくなる…。
「まぁ、ジョークはこれくらいにしておいて・・・
真帆ちゃん、早く“楽”になって来いよ?」
「…大丈夫ですってば」
「手を差し伸べてやれないのって、一番堪えるのにー」
突然に松岡さんは表情を一変させて、何かを含んだ物言いで投げ掛けてくるから。
「どういう意味ですか?」
「ソレは、身をもって知るべし」
「よく分かりませんけど…、お先に失礼しますね?」
「フッ…、“お姉様”と“独占欲の塊さん”によろしくー」
何処までもフリーダムな彼から手を振られつつ、私は急いで試作部をあとにした…。