王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

≪ピーンポーンッ≫


高音のチャイムが辺りに響き渡る。


その瞬間、高梨の顔が一気に強張った。


プルプル小刻みに震える手がその緊張を物語っている。


頼む、出てきてくれ。


俺は息を殺して、未来の元カレが扉を開けてくれることを願った。



すると、「はい?」と間抜けな声と共に玄関の扉が呆気なく開いた。


扉から顔を出したのは間違いなく未来の元カレで。


「……君、誰?」


男は高梨を見るなり、不思議そうに首を傾げた。


慌てている様子も警戒している様子も一切感じられない。





「なぁ、未来ってこの部屋にいる?」


高梨を背中に隠して扉の隙間に足を挟み込む。


「……未来?ここにはいないけど……」


俺の顔を見るなり、目を泳がせた男。


その一瞬を俺は見逃さなかった。



「悪いけど、中入るわ」


「……――勝手に入るんじゃねぇ!!」


玄関の扉を無理矢理こじ開けると、きちんと揃えられて置かれた女物のローファーが目にとまった。


それが未来の靴である保証はない。


だけど、妙な胸騒ぎがする。



「早く帰れ!!警察呼ぶぞ?!」


男の制止を無視して部屋に足を踏み入れた瞬間、リビングでうずくまる女に気付き心臓がドクンっと脈打った。
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