王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「未来……ごめんね。あたしがちゃんと言わなかったから……」
「ミホのせいじゃないよ。全部自分のせいなの……」
アパートを出ると、涙を流しながらミホはあたしに抱きついた。
『未来……あのさ……――』
ミホが言い掛けた言葉。
それを最後まで聞かなかったあたしが悪いんだ。
それにミホの気持ちも分かる。
『裕とまた会えるかもしれないんだ!』
そう言って喜ぶ友達に、『会わないほうがいい』なんて言えないよね。
あたしが逆の立場でも、ミホに言うことができなかったかもしれない。
「隼人とミホが来てくれてよかったよ……。本当にありがとう」
必死の抵抗で一度は諦めた裕。
でも二人が来てくれなかったら……
そう考えると背筋がスーッと冷たくなった。