王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……じゃあ、なんで裕のこと聞いたのよ」
「どんな奴か聞いただけだろ?」
涼しい表情を崩さない新城隼人。
やっぱりあたしはからかわれているだけなのかもしれない。
そう思うと、不覚にも新城隼人にドキドキした自分に無性に腹が立ってきて。
その苛々をあたしは新城隼人にぶつけた。
「昨日から新城隼人の言ってること分かんないよ!新城隼人は……あたしをからかってるの?それとも冷やかしたいの?!」
「からかってないし、冷やかしてない」
「あたしのこと、振られて可哀想な女だって思ってるんでしょ?!」
「思ってない」
「じゃあ何で家まで送ってくれたり、倒れたあたしをここまで運んでくれたりするの?
同情?新城隼人の考えてること全然分かんない!」
一気に喋り、いくらか酸欠気味になる。
すると、ハァハァと肩で息をするあたしを新城隼人は強引に……
でも優しく抱き寄せた。