王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
隼人との距離が縮まって気付いたことがある。
隼人はいつだって優しい。
言葉遣いも悪いし、強引だし、意地悪だし。
すぐに眉間に皺を寄せて怖い顔するし。
だけど、その中に必ず優しさがある。
ねぇ、隼人?
あたし気付いてたんだよ。
あまり遅くならないようにあたしを家まで送ってくれたこと。
歩幅をあたしに合わせてくれていたこと。
何気なく車道側に立ってくれたこと。
あたし、全部気付いてたんだ。
「……隼人……ありがとう」
あたしは、隼人が取ってくれた人形の入った袋をギュッと両手で抱きしめた。