走れ!演劇クラブ2010
一難去ってまた一難!ぶっちゃけありえないことはない?

予期せぬ反逆

「ああ愛しの杏香様。私は今道に迷っております。どうかこの迷える子羊に道をお示しください。」
ああ、またセロちゃんは。あの薔薇の前で。あんな恥ずかしいことを。
ガラッ
「せ、セロちゃん?」
セロちゃんは一瞬びくってして私の方を向く。どことなく焦り気味だ。
「みっ・・・みっちゃん!?い・・・今の見てた?」
「えっ?私何にも見てない。何にも聞いてない。子羊のことなんて何にも知らないよ?」
しまった!子羊ってうっかり言っちゃった!
「子羊?」
「あっ!私何にも言ってないよ?セロちゃんの空耳じゃない?」
自己紹介が遅れたけど私道奏。伊賀崎道奏(みちか)元は合唱部だったけど親友のキョンちゃん(杏香)に拉致られ演劇部の部長さんやってるんだ。ちなみセロちゃんは私のイトコ。ちょっとキャラがスゴいけどホントはイイ子なんだ。
「で、どうしたのかな。みっちゃん。」
「そうだった。私をさ、エンドらの騎士団にいれて欲しいんだけど、どうかな?私無派閥だし。」
「何言ってるんだみっちゃん。みっちゃん杏香ファミリーじゃないか。」
・・・はぁ?私って杏香ファミリー?
「もう忘れたのか?みっちゃんはあの日杏香様に拉致られてからファミリーの代表として部長になったんじゃないか。」
あ、あぁ~そうだったっけ?うん。忘れてた。なんかエンドラの騎士団のが退屈しなさそうだったんだけどな~。
「んじゃセロちゃん。また学校でね☆彡」
嵐のように去ってったって思ってんだろ~な~。セロちゃんは。


でも、今週の私も思ってなかったんだ。学校を巻き込む壮大な抗争が近付いてるっては。
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