+゚☆月夜の舞姫☆゚+【短】
「今日はもう帰れ」


「え?」


眉を寄せたアレンが、ゆっくりと立ち上がりました。


「あまり遅いと、リリーの家の者が心配する」


「平気よ!」


リリーは咄嗟に言いましたが、アレンは首を横に振りました。


「俺はこれから出掛けるんだ。だから、今日は帰ってくれ」


アレンはそう言い残し、リリーに背中を向けて歩き出しました。


リリーは、そんな彼の後ろ姿をずっと見つめていました。


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