+゚☆月夜の舞姫☆゚+【短】
麗(ウラ)らかな午後の陽射し。


心地好いそよ風。


「こんなにイイお天気なのに、城にこもって勉強なんてしていられないわよ!」


そう言ったのは、この小さな国のお姫様。


名前はリリー。


この国の民からは、“舞姫”とも呼ばれています。


リリーは綺麗なドレスと靴を脱ぐと、国民と変わらぬ地味な洋服に着替えました。


そして、栗色のウェーブの掛かった髪をなびかせながら、城の抜け道を使って城下街に向かったのです。


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