夜空に響く恋【短】
君の笑顔は、反則だ。


聞こえていたのに、聞こえていない振りをする意地悪な君に、悔しさを覚えたけど…


“好き”の気持ちの方が大きくて、怒ったりする気にはなれない。


「……うん……」


涙混じりに頷くと、君はあたしの頬に触れた。


近付いて来る君の顔を見つめながら、握られている手をギュッと握り返す。


君の手の温もりを感じながら、そっと目を閉じた瞬間…


君の唇とあたしの唇が、静かに重なった。


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