至近距離恋愛 -Hero-
雷が、あたしの体をギュッと抱き締めた。


「しゃーないやろ!」


「え……?」


驚いたあたしは、彼の腕から逃れる事すら忘れてしまう。


「ヒーローショーのバイト終わった後にお前の事見付けて、めっちゃ気になって……」


「え……?」


「着替える暇もないまま、お前の後付けてたんやから」


「バイト……って、バーテンは?」


「バーテンもしてるけど、ここでもバイトしてるねん……」


雷はため息混じりに答えて、ゆっくりと体を離した。


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