至近距離恋愛 -Hero-
「帰ろっか♪」


あたしは雷に笑顔を向けて、ゆっくりと立ち上がった。


「はい……」


「何で敬語なん?」


いつもと違う雷の態度が可笑しくて、クスクスと笑ってしまう。


「うっさい!笑うな!」


「だって雷が照れてるとこ、おもしろいねんもん!」


「お前、帰ったら覚えとけよ!絶対後悔させたるからな!」


雷は顔を真っ赤にしながら言って、あたしの手を握った。


あたし達は、賑やかな遊園地の中を寄り添うように並んで歩いた。


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