至近距離恋愛 -Hero-
「あのさ……」


「今度は何やねん」


赤らんだ頬を隠すように顔を背けた雷が、ベッドに腰を下ろした。


「いつになったら、ヒーローになれる?」


「アクションシーンが、もっと上手くなったら……」


「じゃあ、ヒーローの条件って何?」


「そりゃ困った人を助けたり、悪者をやっつけたり……。でもまぁ、一番大事なんは“大切な子を守る事”やろ!」


得意気に笑った雷に、瞳を緩める。


じゃあ、雷はもうヒーローやん!


そう思ったのは、まだ秘密。


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