至近距離恋愛 -Hero-
ポカポカ暖かい春の陽射しが、窓辺にある水玉模様のカーテンの隙間から小さく射し込んで来る気持ちのいい朝…。


「……里!杏里!おいっ!!」


あたしの頬を軽く叩きながら大声を出された事が、この上なく欝陶しくて…


「……ん〜……。もう〜、煩いなぁ〜!」


あたしはそう言って、頭まですっぽりと布団を被った。


だけど…


「起きろっ!!アホ杏里!」


耳障りな大声とともに、あたしの布団は綺麗に剥ぎ取られてしまった。


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