至近距離恋愛 -Hero-
玄関のドアが突然開いたのは、それから30分くらい経った頃だった。


「杏里ー!起きてるんかー?」


雷が大声で言いながら、リビングに入って来た。


「珍しく起きてるやん♪」


「朝から煩い……。何?」


テンションの高い雷に眉をしかめながら、不機嫌なため息を零す。


「朝飯作ってや」


「はぁ!?何で、あたしが雷のご飯作らなアカンの?」


「え、お前知らんのか?」


眉を寄せていると、雷が不思議そうな顔をした。


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