至近距離恋愛 -Hero-
日付が変わっても、寝付けなかった。


時計の秒針の音がやけに響く部屋の中、ベッドで何度も寝返りを打ってはため息を漏らす。


さっきからずっと、同じ動作ばかりを繰り返していた。


昨日から、雷との思い出ばかりが頭に浮かぶ。


幼なじみとの思い出は、あたしの両手に抱え切れないくらいたくさんあって…


雷がすごく近くにいたと言う事を、改めて思い知らされた。


そして彼の事が頭から離れないせいで、あたしは中学時代の失恋を思い出していた――。


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