至近距離恋愛 -Hero-
そして…


その女の子が一学期の終業式に雷に告白をするつもりだと知って、彼女よりも早く自分の気持ちを伝えようと決めた。


何日も告白の言葉を考え続け、緊張しながら迎えた終業式の前日の朝…。


必死に平静を装って、いつも通りの時間に雷を起こしに行った。


緊張で震える声のせいで、いつもみたいな勢いで雷を起こせなくて、遠慮がちに彼の事を起こした。


目を覚ました雷を前にすると一刻も早く緊張から逃れたくなって、ベッドから降りた彼を見ながら口を開いた。


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