至近距離恋愛 -Hero-
「当たり前やんっ!!いつもあたしの事からかうから、ちょっと仕返ししただけやもんっ!!」


「もう〜、ほんま何やねん!朝から無駄に焦ったっちゅーねん……。俺、朝飯食って来るわ」


雷はため息混じりに言った後、気まずそうに部屋から出て行った。


その瞬間、涙が溢れ出した。


精一杯の告白を否定されたあたしは、本当の気持ちを雷に言えなかった。


苦しくて、悲しくて、涙は止まらなかったけど…


あたしは必死に涙を拭って、自分の気持ちに蓋をした――。


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