至近距離恋愛 -Hero-
「ちょっ、こんな冗談、マジでタチ悪いわっ!!」


「違っ……!あたしっ……!」


信じようともしてくれない雷に、慌てて否定しようとしたけど…


「俺らは幼なじみやろ!?俺、杏里の事なんか何とも思ってへんし、お前もそうやろ!?てか、朝から何やねんっ!!」


彼はあたしの言葉を遮って、そう言い切った。


「あ……」


あまりにも必死になっている雷を見ていると、つい言葉に詰まってしまって…


あたしは咄嗟に笑顔を作って、そのまま口を開いた。


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