Winter bell
朝食を食べながら、ふと気になっていた事を口にした。


「晴稀……。昨日、何でソファーで寝たん?」


「えっ?」


不思議そうな晴稀に、あたしは話を続けた。


「だって……晴稀のベッド、広いやん?一緒に寝れたのに……」


拗ねた口調で言ったけど、本当はただ悲しかっただけ。


女として魅力が無いんじゃないか、って…。


「ん〜……。羅夢が大の字で寝てたからなぁ〜……」


「嘘っ!?」


恥ずかしくて顔を赤くしたあたしを見て、晴稀がブッと吹き出した。


「嘘やって!羅夢がぐっすり寝てるのに、隣に入って起こしたら悪いやろ?」


彼は気遣ってくれただけだって事がわかったのに、やっぱりそれがすごく悲しかった。


< 62 / 129 >

この作品をシェア

pagetop