Winter bell
あいつっ……!


一体、何なんっ!?


山本さんはさっき、完全にあたしの事を無視して晴稀の腕を引っ張って行った。


あたしの頭の中には、その時の彼女の姿が焼き付いていた。


外見は、男受けを狙ったような清楚系。


薄いピンクのスーツと、パッチリとした二重を強調したナチュラルメイク。


背中まで伸びている、サラサラの黒い髪。


悔しいけど、どれも山本さんによく似合っていた。


あたしが気に入らないのは、あの甲高い猫撫で声のキャピキャピとした話し方。


そういう女が、好きな男もいるのかもしれないけど…


基本的に、女からは嫌われる。


あたしもその一人で、あの手のタイプの女が一番嫌い。


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