Virgin Snow
「だから、あれはあいつが勝手に……。それに腕なんか組んでねぇよ!っつーか、見てたなら声掛けろよ!」


「バッカじゃないの!?」


苛立ち過ぎたあたしは、そう言い捨ててその場から立ち去った。


あんな状態で、あたしが声を掛けたり出来るハズが無い。


逃げても仕方ないのに……


今は嵐と話している事が、無駄だとしか思えなかった。


どうせなら正直に話してくれたら、もっと素直に怒れた。


そしたら、きっと喧嘩になっただろうけど…


あたしはやっぱり嵐が好きだから、悔しいけどすぐに許せたと思う。


だから不器用な嘘しかつけない彼が、無性に腹立たしかった。


何よりも嵐に嘘をつかれた事がショックで、授業にも出ずに泣きながら家に帰った。


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