Virgin Snow
あれからずっと、あたしは嵐を避け続けていた。


大学では同じ講義でも離れて座っていたし、それ以外は友達と過ごした。


だけど…


何日経っても、嵐はあたしに話し掛けてくれないし、連絡も無かった。


嵐を避けているのは自分(アタシ)なのに、気が付けば彼の事ばかり見ている。


あたしの心は、昔も今も嵐で埋め尽くされてるんだ……


何度も携帯を開きながら、そんな事ばかり考えてしまう。


嵐がいない生活は、虚しさと寂しさだけしか感じない。


今まで言い合いの喧嘩くらいならした事があるけど、こんな風に彼を避けたのは初めての事…。


寂しさの波に押し寄せられて、毎日泣いてばかりだった。


それなのに素直になれない自分が、どうしようもなく嫌で仕方なかった。


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