Virgin Snow
クリスマスイヴはもうすぐなのに、嵐と話すキッカケが掴めなくて…


大学で何度か目が合った時も、あたしはつい視線を逸らしてしまっていた。


いつも後悔しているのに、それを伝える事も出来ない。


どうしよう……


もしかしたら、本当にこのまま終わっちゃうのかな……


あたしの頭はその事ばかりで、講義やバイトの時も嵐の事だけを想っていた。


“心ここに在(ア)らず”と言うのは、正にこの事だと思う。


今年のイヴは、あたし達の二回目の記念日なのに……


あたし、本当にバカだよね……


寂しさが募っても、それを口に出す事が出来ない。


結局、クリスマスイヴを明日に控えても嵐と仲直り出来ないどころか、愚かなあたしは友達と会う約束までしてしまった。


< 38 / 128 >

この作品をシェア

pagetop