Virgin Snow
無言のままの嵐に連れて来られた場所は、あたし達の思い出の公園だった。


2年前の今日…


あたしは、ここで嵐に告白した。


あたし達は、その時と同じベンチに座っていた。


何も言わない嵐と、彼の隣で俯いたままの自分(アタシ)。


嵐はきっと、怒ってるよね……


だから何も言わないんだ……


どうしよう……


どうしたら、嵐とずっと一緒にいられるのかな……


あたしは自分自身に問い掛けながら、零れ落ちそうな涙を手の甲で拭き取った。


涙のひんやりとした感触が、二人の間に出来た距離みたいで…


あたしの瞳には、またすぐに涙が溢れ出してしまった。


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