Virgin Snow
あたし達の間には重苦しい空気が流れ、何時間にも感じられる程の沈黙が続いていた。


その雰囲気を先に破ったのは、嵐だった。


「お前さ、何してたんだよ?」


あたしは、小さな声で答えた。


「真由美と約束してたのに……他の子も合流する事になった……」


「それだけ?」


「うん……」


大きく頷いて嵐の顔を見ると、彼はまだ納得していないのか不機嫌そうな顔をしていた。


「嵐こそ……どうしてずっと連絡くれなかったの?」


バカな自分(アタシ)……


こんな話がしたいんじゃない……


『寂しかった』


『会いたかった』


『ずっと一緒にいたい』


伝えたい言葉が、心の中には溢れているのに…。


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