Virgin Snow
目を覚ますと、嵐はまだ隣で眠っていた。


裸のままだった事に気付いたあたしは、慌てて澪さんに借りた服を着てベッドに戻った。


ふと見ると、嵐はちゃんと服を着ている。


なっ、何で自分だけ着てるのよっ……!


あたしは少しだけ悪戯をするつもりで、嵐の頬を軽く抓った。


「ん〜……」


クスッと笑いが込み上げて来たのと同時に、視界に入って来た自分の左手の変化に目を見開いた。


寝返りを打った嵐に、慌てて手を伸ばす。


「嵐、起きてっ!!」


嵐の体を揺すると、彼は眠そうに目を擦った。


「ねぇっ!!」


「ん、樹里……?おはよ……」


「これっ!!何っ!?」


あたしは興奮しながら、嵐の顔の前に自分の左手を差し出した。


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