Night Large Snake

海を見上げた。

そこには、見た事のない多分超レアな。

笑顔があった。

「あぁ…ずっと傍にいろよ。」

きっと私はすごく幸福な女に違いない。

一瞬だとしても、こんなに格好良い金髪の男の笑顔が見れるだなんて。

「…何笑ってる?」

「何でもない。」

海の笑顔は消えて、いつものぶっきらぼうのような顔に戻っていた。

「あの、ちなみに。」

「あ?」

「海の彼女は、何人いるの?」

ここで海が溜まり場に来ていた彼女と別れた話を聞いた時、九条さんが言っていた。

『椎名には、あの女だけじゃないけどね。』

と溜め息をついていた。

その時の事を思い出す。



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