Night Large Snake
繁華街の人混みは、海と来た時同様、九条さんに道を開けていた。
「暴走族の人達は、ホストに詳しいの?」
その少し後ろを歩く私。
「暴走族だからじゃなくて。あたしは、京の母親がキャバ嬢で父親がホストだったから――。」
最後までその言葉は聞けなかった。
私が道行く人にぶつかって、よろめいたから。
その肩をしっかりと九条さんが支えてくれていて、倒れはしなかった。
「九条さん、ありが…」
「痛ぇなぁ。どこ見て歩いてんだよ、あ?」
感謝の言葉は、後ろから聞こえる野太い声にかき消される。
…やっぱりカルシウム足りてない!!
オドオドしながら、ちゃんと立ち上がり謝ろうとした。
「あんたこそ、どこに目付いてんだよ。顔に付いてるソレはお飾りか、あぁ?」
低いトーンで、聞き慣れた声が聞こえる。
く、九条さん!!