Night Large Snake

冷や冷やしたけど、大丈夫っぽい。

屋上で普通に京と海とパンを食べる九条さんを見て思う。

また九条さんは、女子が言った事をなかった事にした。

「…あ、それとも誕生日は海とディナーか?」

京が私に話を振ってきて我に返る。

「え、何が?」

「うーちゃんの誕生日の話だよ。誕生日の次の次の日辺りに誕生会開くかって。」

「あ、うん…。」

…誕生日。

私は口を開く。

「海、誕生日…家族でどっか行く事になっちゃったから…。だから…ごめん。」

水族館に行く事になった。

最後の旅行。

「…あぁ。」

少し寂しそうに海が言うから、切なくて申し訳なく思った。




< 305 / 525 >

この作品をシェア

pagetop